素敵なお店と商品と、自転車の旅へ vol.02
気がつけば平成最後の秋。 そんな最後の秋に、吉祥寺を自転車でめぐりませんか? 素敵なお店と、ぴったりな商品をご紹介する旅、第2弾です。 SIDEWALK STANDで買ったコーヒーの香りをまといながら、晴れた井の頭公園を。
井の頭公園を少し抜けたところをまっすぐ。 〈 book obscura ブックオブスキュラ 〉という、写真集をメインに取り扱っているお店があります。写真集はもちろんのこと、アートブックやリトルプレスの新書から古書まで、探していたあの本が、きっとみつかる本屋さんです。
中に入ると早速、目の前に広がるたくさんの写真集。 わくわくした気持ちが抑えきれず、本をひらく手が止まりません。
今回おすすめの商品
読んでる時もなくさないように、大事な自転車の鍵はお気に入りのキーロングにまとめて。 Wilson Key Ring - Brass 1,700yen(+tax) 商品はこちらからどうぞ 使えば使う程味が出るキーリングは、頑丈さも兼ね備えています。
本への想いを感じるお店 book obscura
こんな素敵な時間を忘れてしまう本屋さんを始めたのが、店内の本全てへの尊敬を感じる、店主の黒崎さん。
今回、黒崎さんにおすすめの写真集を3つ、教えていただきましたのでご紹介します。 〈 echo / 菊池和歌子 〉
まず1つ目は、菊池和歌子さんの「echo」。 写真家の菊池さんが、生まれ育った宮城県の雪景色を撮影しています。 1つの対比として、鈴木理策さんの「White」という写真も一緒に見せていただきました。 菊池さんは宮城県、雪も多く降る場所の出身です。 鈴木さんは和歌山県、雪はあまり降らない場所の出身です。 同じものを撮っているはずなのに、菊池さんの撮っている雪は、あくまで日常の1つとして懐かしい情景を思い出すものとして、鈴木さんの撮っている雪は、初めて雪を見たようなわくわくするものとして。 是非2人の見えている世界の違いを、手にとって見てみてください。 〈 太陽の鉛筆 / 東松照明 〉
2つ目は、写真好きな人は1度は手にとったことがあるであろう、東松照明さんの「太陽の鉛筆」です。 東松さんが1969年に沖縄と出会って以来、沖縄の人々が持つ精神、アメリカの支配下から本土復帰に至るまで、時代に翻弄されながらもたくましく生きる人々の暮らしが鮮明に写っています。 最近出版されたものもありますが、この写真集は1975年に刊行されたものです。 東松照明さんは自分の目で見た色味と、紙に出力したときの色味が同じになるよう、特にこだわっていたそう。 こちらも、1975年に刊行されたものと 最近出版された「新編 太陽の鉛筆」の2つを並べて見せていただきました。 そうすると、それぞれの写真が表現している色が全く異なっていることに気が付きます。 「新編 太陽の鉛筆」は2015年に出版されたもの。 東松さんが亡くなられてから、出版されたものだそうです。 なるほど、聞いていたスタッフ全員で納得してしまいました。 〈 Josef Sudek,Prag 1967 / Timm Rautert 〉
ドイツの写真家ティム・ラウタートが、「プラハの詩人」と呼ばれたヨゼフ・スデックを撮影した写真集。 スデック自身が撮影したものは数あれど、本人を写している希少な写真集だそうです。 被写体となっているヨゼフ・スデック、第一次世界大戦中の負傷が原因で右腕を失っています。 それから、左腕一本で重いカメラを持って、移動して、撮影して、ということを繰り返していたそうです。
そのスデックが1958年に刊行した「Fotografie」。 住んでいたチェコの風景から、ポートレートまで、幅広いジャンルで構成されています。 様々なジャンルの中に1つ、屋内で撮影されたスティルライフのシリーズがあります。 それは、撮影当時ナチスドイツの占領下にあり、 屋外でカメラを持っていると、スパイ扱いをされてしまう時代。 そんな時にでも、家の中でも撮影をし続けていたそうです。 最後のページは、そんな状況下でも希望を絶やさなかったスデックの想いが込められています。 ぜひ店頭で見て、感じてください。 (ちなみに「Fotografie」は、黒崎さんが棺に入れてほしいと頼んでいる写真集だそう。 残念ながら購入することはできません。)
黒崎さんは、このように写真家さんの考えや撮影した背景、 お店に訪れたお客様に伝えていきたいという想いのもと、お仕事をされていました。 店内で、コーヒーの提供や展示も行っています。 訪れる度に、新たな発見ができるはずです。 ついつい、自分でも「echo」を購入してしまいました。
今回ご紹介した店舗 book obscura ブックオブスキュラ 住所:〒181-0001 三鷹市井の頭4-21-5 #103(Google map)![]()
今回のショートトリップ
今回の自転車の旅は、この道を通っています。

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